百人一首 68番 心にも
三条院の歌です。決まり字は「こころに」、出典は後拾遺集の雑一です。
心にも あらで憂世に ながらへば
戀しかるべき 夜半の月かな
読み:こころにも あらでうきよに ながらえば こいしかるべき よわのつきかな
現代語訳 心にもなく、このつらい世の中に生きながらえたなら、きっと恋しく思い出すことだろう、今夜のこの月を。
読み方
昔のかなづかい:こころにも あらでうきよに ながらへば こひしかるべき よはのつきかな
68番を、かるたで読み上げるときの今の発音で書くと「こころにも あらでうきよに ながらえば」「こいしかるべき よわのつきかな」になります。68番は、後拾遺集の「雑一」の部にのっている雑の歌で、後拾遺集の中では861番の歌です。
「読み上げ」は、この端末に入っている日本語の声で読みます。声によっては不自然に聞こえることがあります。読み上げのために何かを送ることはありません。
ことばの説明
- 憂き世(うきよ)語
- つらいことの多いこの世。(デジタル大辞泉「憂き世」)
- 長らふ(ながらう)語
- 生きつづける。(デジタル大辞泉「長らふ」)
この歌の場面
天皇の位をおりようと決めたころ、夜空に明るくかがやく月を見てよんだ歌です。心ならずもこのつらい世に生きながらえたら、今夜の月をきっと恋しく思い出すだろう、と深い悲しみがこめられています。
作者の三条天皇
第67代の天皇で、冷泉天皇の第2皇子です。藤原道長の孫の後一条天皇に位をゆずりました(976〜1017年)。(デジタル大辞泉「三条天皇」)
「こ」で始まる歌
68番のほかに「こ」で始まる歌は5首あります。68番の決まり字は「こころに」なので、4文字目の「に」まで聞くと、この歌だとわかります。
- 10番 これや此の 行くも帰るも 別かれては(決まり字「これ」)
- 24番 此の度は 幣もとりあへず 手向山(決まり字「この」)
- 29番 心あてに 折らばや折らむ 初霜の(決まり字「こころあ」)
- 41番 戀すてふ わが名はまだき 立ちにけり(決まり字「こい」)
- 97番 来ぬ人を 松帆の浦の 夕なぎに(決まり字「こぬ」)
68番は4字決まりの歌です。百人一首クイズの「100首すべて」では、68番も上の句から下の句を選ぶ問題に出てきます。
歌と読みの出典:ウィキソース「小倉百人一首」(歌・歴史的仮名遣いの読み・作者・出典)、照合:ウィキペディア「百人一首」の歌一覧(歌の読みと決まり字を1首ずつ照合)(確認日 2026-10-30)。現代語訳と説明はこのサイトが書いたものです。