百人一首 50番 君がため
藤原義孝の歌です。決まり字は「きみがためお」、出典は後拾遺集の恋二です。
君がため 惜しからざりし 命さへ
長くもがなと 思ひけるかな
読み:きみがため おしからざりし いのちさえ ながくもがなと おもいけるかな
現代語訳 あなたに会うためなら、惜しくはないと思っていた命までも、会えたいまは、長くあってほしいと思うようになった。
読み方
昔のかなづかい:きみがため をしからざりし いのちさへ ながくもがなと おもひけるかな
50番を、かるたで読み上げるときの今の発音で書くと「きみがため おしからざりし いのちさえ」「ながくもがなと おもいけるかな」になります。50番は、後拾遺集の「恋二」の部にのっている恋の歌で、後拾遺集の中では669番の歌です。
「読み上げ」は、この端末に入っている日本語の声で読みます。声によっては不自然に聞こえることがあります。読み上げのために何かを送ることはありません。
ことばの説明
- 君(きみ)語
- 相手をうやまって呼ぶことば。この歌では恋しいあなた。(デジタル大辞泉「君」)
- 命(いのち)語
- 生きていること。(デジタル大辞泉「命」)
この歌の場面
恋しい人と会うためなら命も惜しくないと思っていたのに、会えたあとは、その命が長くあってほしいと思うようになった、という歌です。会えた喜びと、この幸せをもっと続けたいという願いがすなおに表されています。
作者の藤原義孝
藤原伊尹の子で、書の名手として知られる藤原行成の父です。中古三十六歌仙の一人で、若くして亡くなりました(954〜974年)。(精選版 日本国語大辞典「藤原義孝」)
「き」で始まる歌
50番のほかに「き」で始まる歌は2首あります。50番の決まり字は「きみがためお」なので、6文字目の「お」まで聞くと、この歌だとわかります。
- 15番 君がため 春の野に出でて 若菜つむ(決まり字「きみがためは」)
- 91番 きりぎりす なくや霜夜の さむしろに(決まり字「きり」)
50番は6字決まりの歌です。百人一首クイズの「100首すべて」では、50番も上の句から下の句を選ぶ問題に出てきます。
歌と読みの出典:ウィキソース「小倉百人一首」(歌・歴史的仮名遣いの読み・作者・出典)、照合:ウィキペディア「百人一首」の歌一覧(歌の読みと決まり字を1首ずつ照合)(確認日 2026-10-30)。現代語訳と説明はこのサイトが書いたものです。