百人一首 20番 侘びぬれば
元良親王の歌です。決まり字は「わび」、出典は後撰集の恋五です。
侘びぬれば 今はた同じ 難波なる
身をつくしても 逢はむとぞ思ふ
読み:わびぬれば いまはたおなじ なにわなる みおつくしても あわんとぞおもう
現代語訳 恋に苦しみぬいたいまとなっては、もう同じことです。難波の澪標のように、この身をつくしても、あなたに会いたいと思います。
読み方
昔のかなづかい:わびぬれば いまはたおなじ なにはなる みをつくしても あはむとぞおもふ
20番を、かるたで読み上げるときの今の発音で書くと「わびぬれば いまはたおなじ なにわなる」「みおつくしても あわんとぞおもう」になります。20番は、後撰集の「恋五」の部にのっている恋の歌で、後撰集の中では961番の歌です。
「読み上げ」は、この端末に入っている日本語の声で読みます。声によっては不自然に聞こえることがあります。読み上げのために何かを送ることはありません。
ことばの説明
- 澪標(みおつくし)掛詞
- 舟の通り道を知らせるために水中に立てたくい。「身を尽くし」との掛詞。(デジタル大辞泉「澪標」)
- 侘ぶ(わぶ)語
- 思うようにならず、つらく思う。(デジタル大辞泉「侘ぶ」)
この歌の場面
うわさが広まって会うことのできなくなった恋の相手に向けて、どうなってもかまわないから会いたいとよんだ歌です。難波の海に立つ「みおつくし」に、身をほろぼしてもという強い気持ちを重ねています。
作者の元良親王
陽成天皇の第一皇子です。恋の多い人として、たくさんの話が残っています(890〜943年)。(精選版 日本国語大辞典「元良親王」)
「わ」で始まる歌
20番のほかに「わ」で始まる歌は6首あります。20番の決まり字は「わび」なので、2文字目の「び」まで聞くと、この歌だとわかります。
- 8番 わが庵は 都のたつみ しかぞ住む(決まり字「わがい」)
- 11番 わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと(決まり字「わたのはらや」)
- 38番 忘らるる 身をば思はず 誓ひてし(決まり字「わすら」)
- 54番 忘れじの 行末までは 難ければ(決まり字「わすれ」)
- 76番 わたの原 漕ぎ出でて見れば 久方の(決まり字「わたのはらこ」)
- 92番 わが袖は 汐干に見えぬ 沖の石の(決まり字「わがそ」)
20番は二字決まりの歌なので、百人一首クイズの二字決まりで練習できます。
歌と読みの出典:ウィキソース「小倉百人一首」(歌・歴史的仮名遣いの読み・作者・出典)、照合:ウィキペディア「百人一首」の歌一覧(歌の読みと決まり字を1首ずつ照合)(確認日 2026-10-30)。現代語訳と説明はこのサイトが書いたものです。