百人一首 30番 有明の
壬生忠岑の歌です。決まり字は「ありあ」、出典は古今集の恋三です。
有明の つれなく見えし 別れより
暁ばかり 憂きものはなし
読み:ありあけの つれなくみえし わかれより あかつきばかり うきものわなし
現代語訳 有明の月がそっけなく見えたあの別れのとき以来、夜明け前ほどつらいものはなくなってしまった。
読み方
昔のかなづかい:ありあけの つれなくみえし わかれより あかつきばかり うきものはなし
30番を、かるたで読み上げるときの今の発音で書くと「ありあけの つれなくみえし わかれより」「あかつきばかり うきものわなし」になります。30番は、古今集の「恋三」の部にのっている恋の歌で、古今集の中では625番の歌です。
「読み上げ」は、この端末に入っている日本語の声で読みます。声によっては不自然に聞こえることがあります。読み上げのために何かを送ることはありません。
ことばの説明
- 暁(あかつき)語
- 夜明け前のまだ暗いころ。(デジタル大辞泉「暁」)
- つれない(つれない)語
- 冷ややかで、そっけない。(デジタル大辞泉「つれない」)
この歌の場面
夜明けの空に残る月が、別れのときの相手と同じようにそっけなく見えた、という恋の歌です。その朝以来、夜明け前の時間がいちばんつらいものになってしまった、と別れのつらさが心に残っています。
作者の壬生忠岑
古今和歌集の撰者の一人で、三十六歌仙の一人です。和歌を十のすがたに分けて論じた「和歌体十種」を書いたとされます。(デジタル大辞泉「壬生忠岑」)
「あ」で始まる歌
30番のほかに「あ」で始まる歌は15首あります。30番の決まり字は「ありあ」なので、3文字目の「あ」まで聞くと、この歌だとわかります。
- 1番 秋の田の かりほの庵の とまをあらみ(決まり字「あきの」)
- 3番 足引きの 山鳥の尾の しだり尾の(決まり字「あし」)
- 7番 天の原 ふりさけ見れば 春日なる(決まり字「あまの」)
- 12番 天つ風 雲のかよひぢ 吹きとぢよ(決まり字「あまつ」)
- 31番 朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに(決まり字「あさぼらけあ」)
- 39番 浅茅生の 小野の篠原 しのぶれど(決まり字「あさじ」)
- 43番 逢ひみての 後の心に くらぶれば(決まり字「あい」)
- 45番 哀れとも いふべき人は おもほえで(決まり字「あわれ」)
- 52番 明けぬれば くるるものとは 知りながら(決まり字「あけ」)
- 56番 あらざらむ 此の世のほかの 思ひ出に(決まり字「あらざ」)
- 58番 有馬山 ゐなのささ原 風吹けば(決まり字「ありま」)
- 64番 朝ぼらけ 宇治の川霧 絶えだえに(決まり字「あさぼらけう」)
- 69番 嵐ふく 三室の山の もみぢ葉は(決まり字「あらし」)
- 78番 淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に(決まり字「あわじ」)
- 79番 秋風に たなびく雲の 絶間より(決まり字「あきか」)
30番は3字決まりの歌です。百人一首クイズの「100首すべて」では、30番も上の句から下の句を選ぶ問題に出てきます。
歌と読みの出典:ウィキソース「小倉百人一首」(歌・歴史的仮名遣いの読み・作者・出典)、照合:ウィキペディア「百人一首」の歌一覧(歌の読みと決まり字を1首ずつ照合)(確認日 2026-10-30)。現代語訳と説明はこのサイトが書いたものです。