百人一首 3番 足引きの
柿本人麿の歌です。決まり字は「あし」、出典は拾遺集の恋三です。
足引きの 山鳥の尾の しだり尾の
ながながし夜を ひとりかもねむ
読み:あしびきの やまどりのおの しだりおの ながながしよお ひとりかもねん
現代語訳 山鳥の長くたれさがった尾のように長い長い秋の夜を、わたしはひとりさびしく寝るのだろうか。
読み方
昔のかなづかい:あしびきの やまどりのをの しだりをの ながながしよを ひとりかもねむ
3番を、かるたで読み上げるときの今の発音で書くと「あしびきの やまどりのおの しだりおの」「ながながしよお ひとりかもねん」になります。3番は、拾遺集の「恋三」の部にのっている恋の歌で、拾遺集の中では778番の歌です。
「読み上げ」は、この端末に入っている日本語の声で読みます。声によっては不自然に聞こえることがあります。読み上げのために何かを送ることはありません。
ことばの説明
- 足引の(あしびきの)枕詞
- 「山」にかかる枕詞。(デジタル大辞泉「足引の」)
- 山鳥(やまどり)語
- キジのなかまの鳥。雄の尾がとても長い。(デジタル大辞泉「山鳥」)
- 序詞(じょことば)序詞
- 「あしびきの山鳥の尾のしだり尾の」までが「ながながし」をみちびく序詞。(デジタル大辞泉「序詞」)
この歌の場面
山鳥の雄の長い尾を思いうかべさせて、秋の夜の長さをいっそう長く感じさせる歌です。前半の長い飾りのことばが、ひとり寝のさびしい夜がなかなか明けないようすと重なります。声に出すと「の」の音がくり返され、ゆったりした調子になります。
作者の柿本人麻呂
万葉集を代表する歌人で、持統天皇と文武天皇に仕えました。長歌の形を完成させ、のちに「歌聖」とあおがれました。生まれた年と亡くなった年はわかっていません。(デジタル大辞泉「柿本人麻呂」)
「あ」で始まる歌
3番のほかに「あ」で始まる歌は15首あります。3番の決まり字は「あし」なので、2文字目の「し」まで聞くと、この歌だとわかります。
- 1番 秋の田の かりほの庵の とまをあらみ(決まり字「あきの」)
- 7番 天の原 ふりさけ見れば 春日なる(決まり字「あまの」)
- 12番 天つ風 雲のかよひぢ 吹きとぢよ(決まり字「あまつ」)
- 30番 有明の つれなく見えし 別れより(決まり字「ありあ」)
- 31番 朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに(決まり字「あさぼらけあ」)
- 39番 浅茅生の 小野の篠原 しのぶれど(決まり字「あさじ」)
- 43番 逢ひみての 後の心に くらぶれば(決まり字「あい」)
- 45番 哀れとも いふべき人は おもほえで(決まり字「あわれ」)
- 52番 明けぬれば くるるものとは 知りながら(決まり字「あけ」)
- 56番 あらざらむ 此の世のほかの 思ひ出に(決まり字「あらざ」)
- 58番 有馬山 ゐなのささ原 風吹けば(決まり字「ありま」)
- 64番 朝ぼらけ 宇治の川霧 絶えだえに(決まり字「あさぼらけう」)
- 69番 嵐ふく 三室の山の もみぢ葉は(決まり字「あらし」)
- 78番 淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に(決まり字「あわじ」)
- 79番 秋風に たなびく雲の 絶間より(決まり字「あきか」)
3番は二字決まりの歌なので、百人一首クイズの二字決まりで練習できます。
歌と読みの出典:ウィキソース「小倉百人一首」(歌・歴史的仮名遣いの読み・作者・出典)、照合:ウィキペディア「百人一首」の歌一覧(歌の読みと決まり字を1首ずつ照合)(確認日 2026-10-30)。現代語訳と説明はこのサイトが書いたものです。