百人一首 1番 秋の田の
天智天皇の歌です。決まり字は「あきの」、出典は後撰集の秋中です。
秋の田の かりほの庵の とまをあらみ
わが衣手は 露にぬれつつ
読み:あきのたの かりおのいおの とまおあらみ わがころもでわ つゆにぬれつつ
現代語訳 秋の田のそばに建てた仮小屋は、屋根の苫の編み目があらいので、番をしているわたしの袖は、夜露にぬれていくばかりだ。
読み方
昔のかなづかい:あきのたの かりほのいほの とまをあらみ わがころもでは つゆにぬれつつ
1番を、かるたで読み上げるときの今の発音で書くと「あきのたの かりおのいおの とまおあらみ」「わがころもでわ つゆにぬれつつ」になります。1番は、後撰集の「秋中」の部にのっている秋の歌で、後撰集の中では302番の歌です。
「読み上げ」は、この端末に入っている日本語の声で読みます。声によっては不自然に聞こえることがあります。読み上げのために何かを送ることはありません。
ことばの説明
- 苫(とま)語
- すげやかやを編んで作った、屋根や囲いにするむしろ。(デジタル大辞泉「苫」)
- 衣手(ころもで)語
- 着物のそで。歌でよく使われる言い方。(デジタル大辞泉「衣手」)
この歌の場面
実りの秋、田んぼのそばの仮小屋で、夜どおし稲の番をしている人の姿がうかびます。屋根の目があらいので、すき間から夜露が落ちてきて袖がぬれていきます。天皇の歌でありながら、農作業をする人の苦労に心をよせた歌として伝えられてきました。
作者の天智天皇
第38代の天皇で、即位する前は中大兄皇子と呼ばれました。藤原鎌足とともに蘇我氏をたおし、大化の改新を進めた人物です(626〜672年)。(デジタル大辞泉「天智天皇」)
「あ」で始まる歌
1番のほかに「あ」で始まる歌は15首あります。1番の決まり字は「あきの」なので、3文字目の「の」まで聞くと、この歌だとわかります。
- 3番 足引きの 山鳥の尾の しだり尾の(決まり字「あし」)
- 7番 天の原 ふりさけ見れば 春日なる(決まり字「あまの」)
- 12番 天つ風 雲のかよひぢ 吹きとぢよ(決まり字「あまつ」)
- 30番 有明の つれなく見えし 別れより(決まり字「ありあ」)
- 31番 朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに(決まり字「あさぼらけあ」)
- 39番 浅茅生の 小野の篠原 しのぶれど(決まり字「あさじ」)
- 43番 逢ひみての 後の心に くらぶれば(決まり字「あい」)
- 45番 哀れとも いふべき人は おもほえで(決まり字「あわれ」)
- 52番 明けぬれば くるるものとは 知りながら(決まり字「あけ」)
- 56番 あらざらむ 此の世のほかの 思ひ出に(決まり字「あらざ」)
- 58番 有馬山 ゐなのささ原 風吹けば(決まり字「ありま」)
- 64番 朝ぼらけ 宇治の川霧 絶えだえに(決まり字「あさぼらけう」)
- 69番 嵐ふく 三室の山の もみぢ葉は(決まり字「あらし」)
- 78番 淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に(決まり字「あわじ」)
- 79番 秋風に たなびく雲の 絶間より(決まり字「あきか」)
1番は3字決まりの歌です。百人一首クイズの「100首すべて」では、1番も上の句から下の句を選ぶ問題に出てきます。
歌と読みの出典:ウィキソース「小倉百人一首」(歌・歴史的仮名遣いの読み・作者・出典)、照合:ウィキペディア「百人一首」の歌一覧(歌の読みと決まり字を1首ずつ照合)(確認日 2026-10-30)。現代語訳と説明はこのサイトが書いたものです。