百人一首 53番 嘆きつつ
右大将道綱母の歌です。決まり字は「なげき」、出典は拾遺集の恋四です。
嘆きつつ 獨りぬる夜の 明くるまは
いかに久しき ものとかは知る
読み:なげきつつ ひとりぬるよの あくるまわ いかにひさしき ものとかわしる
現代語訳 嘆きながらひとりで寝る夜が明けるまでの時間が、どれほど長いものか、あなたはわかっているでしょうか。
読み方
昔のかなづかい:なげきつつ ひとりぬるよの あくるまは いかにひさしき ものとかはしる
53番を、かるたで読み上げるときの今の発音で書くと「なげきつつ ひとりぬるよの あくるまわ」「いかにひさしき ものとかわしる」になります。53番は、拾遺集の「恋四」の部にのっている恋の歌で、拾遺集の中では912番の歌です。
「読み上げ」は、この端末に入っている日本語の声で読みます。声によっては不自然に聞こえることがあります。読み上げのために何かを送ることはありません。
ことばの説明
- 嘆く(なげく)語
- 悲しんでため息をつく。(デジタル大辞泉「嘆く」)
- 久し(ひさし)語
- 長い時間がたっている。(デジタル大辞泉「久し」)
この歌の場面
夫がなかなか通ってこない夜を、ひとりでなげきながら過ごす女性の歌です。夜が明けるまでの時間がどれほど長いか、あなたにはわからないでしょう、と待つ身のつらさをうったえています。
作者の藤原道綱母
藤原兼家の妻で、右大将道綱の母です。夫との暮らしをつづった「蜻蛉日記」の作者として知られています。995年に亡くなりました。(デジタル大辞泉「藤原道綱母」)
「な」で始まる歌
53番のほかに「な」で始まる歌は7首あります。53番の決まり字は「なげき」なので、3文字目の「き」まで聞くと、この歌だとわかります。
- 19番 難波潟 短き葦の ふしのまも(決まり字「なにわが」)
- 25番 名にしおはば 逢坂山の さねかづら(決まり字「なにし」)
- 36番 夏の夜は まだ宵ながら あけぬるを(決まり字「なつ」)
- 80番 ながからむ 心も知らず 黒髪の(決まり字「ながか」)
- 84番 ながらへば また此の頃や しのばれむ(決まり字「ながら」)
- 86番 嘆けとて 月やはものを 思はする(決まり字「なげけ」)
- 88番 難波江の あしのかりねの 一夜ゆゑ(決まり字「なにわえ」)
53番は3字決まりの歌です。百人一首クイズの「100首すべて」では、53番も上の句から下の句を選ぶ問題に出てきます。
歌と読みの出典:ウィキソース「小倉百人一首」(歌・歴史的仮名遣いの読み・作者・出典)、照合:ウィキペディア「百人一首」の歌一覧(歌の読みと決まり字を1首ずつ照合)(確認日 2026-10-30)。現代語訳と説明はこのサイトが書いたものです。